1月の27〜29日 県内の男性不妊では有名な病院にて TESEを受けてきました。 通常TESEは日帰り手術が多いそうなのですが、そちらの病院では念のため二泊三日の入院での手術ということでした。 ・・・といっても、手術を受けたのは28日の午後だったので、一日半以上は待ちぼうけだったのですが・・・^^; 27日 まず午前中に病院の受付で入院の手続きをし、病室までを口頭で案内されます。 病院着は二泊三日なのでレンタルすることに。 また、6人部屋が開いておらず、3〜4人部屋を使用する事になりました。 大きい総合病院でしたので、入院受付も人がいっぱい。 入院にオットも緊張した様子でした。 病室で待っていると病院着が届いたので着替え、看護婦さんから入院の説明をしていただきました。 (常飲薬や、予防接種の有無など) また、今回の手術は全身麻酔をする予定だったので、麻酔科の先生による麻酔による副作用の説明もありました。 手術中は麻酔により自分で呼吸ができなくなるので管を通すそうなのですが、それによってのどのイガイガ感が出たり、熱が出たり、蕁麻疹が起こったりするかもしれない、とのことでした。 (熱は本当に極まれだそうです) 説明を受け16時ごろにはmochaは帰宅。オットは病院でお泊りでした。 次の日の15時ごろ手術予定でしたが、その日の21時からもう飲食禁止でした。 また下剤を飲んで便を出させるということもしたようです。 久々の一人で夜を過ごすので、とても家が広く感じました。 寂しいなって。 27日、28日と一人でご飯だったので、夕食は作らずレトルトなどで済ませました。 28日 奥さんは14時には病院に来てください、とのことでしたが、落ち着かないので、12時には病院にいってしまいました。 オットは点滴を打っていて、デールームという待ち合わせ広場のようなところで本を読んでいました。 やはり、手術で緊張しているのでしょうか。 口数は、少なかったです。 15時。看護婦さんがきて、いよいよ手術の準備です。 血栓ができないようにするための靴下を履き、手術着に着替えます。 車椅子にのって、手術室まで同行しました。 担当医の先生が手術の仕方をもう一度説明してくださいました。 やはり、オットのホルモンの数値が通常よりかなり低いため、通常ならTESEでは片方の玉を見て精子が見つからない場合もう片方も探すのですが、それをすると手術後の合併症(性欲がなくなる、体毛が薄くなるなど)が起こりやすくなるので、左右のためを見て上体がよさそうなほうだけを集中して探す、とのことでした。 こちらの病院いきてからずっと担当してくださった先生です。先生に全てを託して、手術をお願いしました。 手術室に入る前、オットが振り向き私の顔をじっと見てきました。 私も黙ってうなづくだけしかできません。 手術室に入っていくマコティの背中が、少し小さく感じました。 手術室まで見送った後、ちぃちぃは病室かデールームで待つよう言われたため、病室で待つことにしました。
窓際のベットでしたが、夕日が、すごくきれいでした。
本を読んでいても、じっとしていても、なんとなく、落ち着かない。
手術が終わるまでの時間が、長く感じました。
オットが麻酔でそのまま目を覚まさなくなったらどうしよう、とか
すごくいたいのかな、とか
いろんなことを考えました。
手術は、一時間半くらいでした。
16時半ごろ、看護婦さんが「終わったようなので、お迎えに行ってきます」と、病室のベットを持っていきました。
手術が終わったオットが、ベットで酸素マスクと点滴をつけて、戻ってきました。
その姿が・・・なんとも痛々しく弱々しく見えて、泣きそうになってしまいました。
結果は・・・・
かなり萎縮していて、5ミリほどの容積しかなかったそうです。
また、糸くずのようなものばかりで、はっきりとした精子は見られなかった、ということでした。
ただ、精子が作られている精細管といった管が、一箇所だけ他よりも少し太いところがあったそうで、一応、私がこちらの病院に来る前に通っていた病院の培養士さんに持ち帰ってもらった、とのこと。
ただ、そちらに精子がいる可能性は、かなり低い、といわれました。
一応、原因を調べるためにも、細胞の一部をとったものをスライスして、こちらの病院でも調べてみるとおっしゃっていました。
担当員の先生以外にも男性の先生が二人ほど見えて、ご挨拶をしていただきました。
たくさんの先生が手を尽くしてくださったこと、感謝の気持ちでいっぱいでした。
・・・ですが やはり夢は ほぼ絶たれました。
オットが意識が戻ってきたので、先生が説明をしていましたが、少しボーっとしているようで、先生が行った後で、「どうだったのかな?」とちぃちぃに聞いてきました。
mochaは、先生に言われたとおりに、説明しました。
「そっか・・・だめだったか・・・」
オットは、泣きました。
それを見て、私も泣きました。
「本当に、苦労ばかりかけて・・・ごめんね・・・」
と何度も良いながら、しゃくりあげながら、泣いていました。
mochaは、結果よりも、オットのその姿を見るのが悲しくて、泣きました。
mochaと結婚するまで、あまり「幸せ!」といえるような人生ではなかったオット。
結婚して、二人で暮らして、とてもとても幸せそうでした。
そして時折子供の話しをして、「早く子供が欲しいね」
無邪気に話していました。
「mochaは夢をあきらめてこんな俺と結婚してくれたから、幸せにしたい。」
「ママにしてあげたい」
そう言ってニコニコとしていたオットをみて、mochaも同じように思っていましたし、子供と三人で手を取り合って歩けたらと考えもしました。
手術を終えたオットは、傷をまたひとつ負ってしまったのではないか。
自分に自信を持てなくなってしまうのではないか。
そう思うと申し訳なく、かわいそうで、泣けました。
もちろん・・・二人の遺伝子を持った子供がうめないことが悲しい気持ちもあります。
それは、初めて無精子症を宣告された日から、時間がたっているせいもあり覚悟ができていたのか、そのことでの悲しさは思ったよりもありませんでした。
それよりも、オットの悲しみが伝わってきて、すごくすごく悲しくなりました。
家に帰り、3時間の安静の後動けるようになったオットから電話がかかってきました。
「あなたが、自信をなくしてしまうのではないか。自分自身を責めてしまうのではないか。それを思うと、悲しい」
と伝えると
「俺は、mochaと結婚できただけで、毎日がとても幸せだよ。ただ、mochaをママにしてあげられなかったのが、悲しい。」
と涙していました。
電話で、お互いにまた、泣いてしまいました。 その日の夜は、次の日も朝が早いので、早めに寝ることにしました。 mochaも手術が終わって緊張がなくなったのか、疲れがどっと来てしまい、夢も見ず寝てしまいました。
29日。
退院の日です。 9時半には病室に来てください、ということだったので向かうと、もう私服に着替えたオットがデールームで待っていました。 どうやら個人差がある中でもオットはあまり痛くなかったようで、歩いている分には痛みはほとんどない、とのことでした。
お会計のところで、同じ泌尿器科で見かけた(TESEを受けたと思われる)夫婦がいましたが、そちらの旦那さんは、かなり痛そうでした。個人差があるようです。
無事帰宅をして、お家でその日はゆっくりと過ごしました。
オットは、「もっとmochaとの時間を大切にしたい」と、本気で転職活動を考えているようです。 今のお仕事が、朝は4時半おき、夜は遅いと10時帰りという会社。 週休は2日ありますが年間休日が約99日ほど。長期休暇は年に一度三日あればいいほうで、今年はTESEのためにそのお休みを当てました。 以前からかなり無理をして働いていたので、心配はしていましたが、今回手術を受けて、いろいろと今後の人生を考えるきっかけになったのかもしれません。
2月の半ばに取った細胞の結果を聞きに病院にいくのが最後。 今後の人生を二人でゆっくりと考えていきたいと思います。
オットは、「TESEを受けてよかった。」といっています。 結果は残念でしたが、確かに受けなかったら後悔していたかもしれません。 不妊治療はつらいものです。 一年ほどの期間でしたが、やはり精神的にも肉体的にも、大変だなと痛感しました。
子供を生むってすごい偶然の重なりなのだな、と生命の大切さを感じます。 お子さんがいるご夫婦は、お子さんとの人生を大切に、すごしていただきたいなと思いました。
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