通っている病院の小児科の遺伝子に詳しい先生と「遺伝子カウンセリング」なるものを受けてきました。


遺伝子とは何ぞや、というものから、先日分かったオットの「ロバートソン転座」についての説明、さらにはそれによって引き起こされる問題などを1時間程度お話をしてくださいました。



遺伝子というものは全部で46本あり、22対の常染色体と1対の性染色体からなっています。


今回、オットが染色体異常と診断されたのは13,14対目の染色体の転座(ロバートソン転座)です。


染色体、というものは母親から半分、父親から半分遺伝子を受け継ぐため、対になっている染色体の半分がどちらか組み合わさって伝達されます。


なので、13番目の長腕と14番目の長腕がくっついている(転座がおきている)部分が母親の遺伝子とくっついた場合、13ないしは14番目の染色体が1本多い状態(これをトリソミーといいます)になってしまいます。


また組み合わせによって13ないしは14番目の染色体が1本足りない状態(モノソミーといます)になってしまいます。
組み合わせ例を挙げると・・・


@13番染色体が2本 14番染色体が2本

A13番と14番染色体がくっついたもの(転座)がひとつ 13番染色体・14番染色体各1本

B13番と14番染色体がくっついたもの(転座)がひとつ 13番染色体2本 14番染色体1本

C13番と14番染色体がくっついたもの(転座)がひとつ 13番染色体1本 14番染色体2本

D13番染色体1本 14番染色体2本

E13番染色体2本 14番染色体


1本このEパターンになります。

@は染色体異常のない赤ちゃん
Aはロバートソン転座を持った赤ちゃん
Bは13トリソミーの赤ちゃん
Cは14トリソミーの赤ちゃん
Dは13モノソミーの赤ちゃん
Eは14モノソミーの赤ちゃんということになります。



まず、D・Eは着床しないそうです。
そしてCは初期流産がほとんど、Bは極まれに出生(1200人に一人くらい)するが、出産後1年以内に死亡する場合が多いそうです。

Aはオットと同じ症状の赤ちゃん。@は通常の赤ちゃん。ということになります。


これをみると1/3の確立、のように見えますが染色体の分かれ方の関係で成長に適した精子は半分・・・つまりは1/2の確立になる、ということになります。


こちら に詳しいことが書いてあります。染色体について気になる方はご参照ください。)



TESEのことも考えると、とても高い数字ではありません。
先生ははじめ「何回か挑戦するしかない」とおっしゃっていましたが、非閉塞性無精子症のことをお話したら、「そうか・・きかなきゃよかったな・・」とかなり落胆していました。



万が一TESEで精子が見つかったとして、顕微授精で受精卵ができたとしても、B、Cの可能性は捨て切れません。


先生も、「現行では羊水検査・エコーがあるけれど本当は着床前診断(出生前診断)ができたらいいと思うんだが。」とおっしゃっていました。


出生前診断というのは、受精卵に染色体異常がないか調べる方法なのだそうですが、「生を選ぶ」ということに当たるという意見から、国でまだ認められていない方法だそうです。


一部の病院では行っているところもあるそうですが、なかなかないそうです。
まずそこまで行くかどうかも分かりませんが、確かにこういった特殊な例の場合は、出生前診断はすべきなのではないかな、と思います。


その後、泌尿器科へ移動し、今後についてお話しました。


先生はいきなり聞いてまだこれからどうするかなんてすぐには決められないだろうから、と11月までにどうするかを決められる?ときいてくれ、11月の21日に仮予約を入れてくださいました。

すごく現行で可能性が低い、ということで、今度の選択肢をいくつかお話してくださいました。


<パターン1>
@TESEを受ける

精子見つかる
A顕微授精

B着床

*出生前診断
*羊水検査

C出産

<パターン2>
@TESE受ける

精子見つからない

*二人での生活
*養子をとる
*AID(非配偶者間人工授精)

<パターン3>
TESEを受けない

*二人での生活
*養子を取る*
AID(非配偶者間人工授精)

この3パターン。


まずはTESEを受けるか受けないか。そしてその結果のその後。
私たち夫婦は、「養子」と「AID」に関しては考えていませんでした。
なので、TESEを受けるか受けないか、の2択になります。

先生からの説明を受け、帰ることに。


少しもやもやとしていたので、喫茶店で二人でいろいろとお話しました。



可能性は以前聞いたときと変わらず低いこと。

両親にどうはなすか、ということ。

これからの仕事のこと。



可能性、ということを考えたらばかなり低い数値にかけるということに変わりはありません。



金銭的なこともあるし、肉体的な負担もある。
もういっそのこと受けないほうがいいのでは?というお話も二人でしました。
現状で、二人の思いはかなり後ろ向きです。



正直、「けじめのためのTESE」と思っています。


だけれど。

TESEを受けて、結果をはっきりと聞くのと、TESEを受けなくて自分の中で気持ちを切り替えていくのと、どっちがはっきりと切り替えができるだろう?



たとえ子供がいなくとも、「幸せだ」と思う生活を送れるのにはどちらが良いだろう?

私たち夫婦は、やるだけのことはやってからの方が気持ちが切り替えられるのでは、という結論を出しました。


もしTESEで結果が思わしくなくとも、二人で楽しく暮らしたい。



「車を買ったり、旅行にもいっぱいいこうね。犬も飼いたいね。」とオットははなしてくれました。



結婚してすぐに、家を購入し、「子供貯金」をしたり、準備ばっちり、でしたが、2人の生活では、少し広すぎるかな。



食器も買うたびに4枚組みで買ったり。



家具も4人位で使うものを買ったり。



いつも将来を夢見ながら計画的に・・と進んできました。


もしそれが夢で終わっても、別の生き方を模索すればいい。

幸せになるため、mochaもがんばらなくてはいけません。
新しい仕事も、考えなくちゃなぁ。


TESEを受ける、と決めたことで、自分の中でも少し覚悟ができました。
だめだった今後を考えるべく、次の生活に関しても計画をしていこうと思います。
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